今回は、昭和後期から平成初期にかけて多くの読者に愛された人気恋愛小説を5作品紹介します。時代を映す恋模様がたっぷり詰まっています。
6. 『キッチン』/吉本ばなな
あらすじ: 両親を亡くした後、祖母と二人で暮らしていたみかげ。祖母の死後、友人の雄一とその母(実は父)と奇妙な共同生活を始めることに。喪失と再生、そして小さな恋の物語。
おすすめポイント: 透明感のある文章と静かな感情の揺れが美しい。“癒し系恋愛小説”の原点とも言える作品。
7. 『TUGUMI』/吉本ばなな
あらすじ: 体が弱く気性の激しい少女・つぐみと、東京からやってきた従姉妹・まりあとのひと夏の思い出。家族と友情、そして小さな恋が交差する。
おすすめポイント: つぐみというキャラクターの魅力が全開。家族愛や友情と絡む恋愛模様が瑞々しい。
8. 『冷静と情熱のあいだ Rosso』/江國香織
あらすじ: かつてフィレンツェで恋に落ちたあおいと順正。10年後、イタリアでの再会を約束した二人の、それぞれの人生と心の軌跡を描く。
おすすめポイント: 情熱と理性、夢と現実の間で揺れる大人の恋。美しい情景描写とエモーショナルな展開が秀逸。
9. 『冷静と情熱のあいだ Blu』/辻仁成
あらすじ: 順正の視点から描かれる、あおいへの想いと別れ、そして再会。『Rosso』と対になるもう一つのラブストーリー。
おすすめポイント: 男女の視点を分けて描くことで、恋愛のすれ違いと理解の難しさが際立つ。BluとRossoの両方を読むのがおすすめ!
10. 『小さいおうち』/中島京子
あらすじ: 昭和初期、東京郊外の赤い屋根の家に奉公する女中・タキ。奥様と若い画家との秘密の恋を、老いたタキが回想する。
おすすめポイント: レトロな時代背景の中に浮かび上がる抑制された恋愛感情。静かだけれど深い余韻が残る一冊。
次回は、小川洋子や田辺聖子など、多彩な作家による感動的な恋愛小説をお届けします。お楽しみに!
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