🚪【小説紹介】『完全なる首長竜の日』|現実と妄想の境界線で起きる、密室の頭脳戦

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はじめに

読んでいるうちに、「何が本当で、何が狂っているのか」自分でもわからなくなってくる――。

そう語る読者が続出した、**乾緑郎(いぬい・ろくろう)の『完全なる首長竜の日』**は、SF、ミステリー、心理スリラーのすべての要素が詰まった知的サバイバル小説です。


📘 基本情報

  • タイトル:完全なる首長竜の日
  • 著者:乾緑郎(いぬい・ろくろう)
  • 出版社:宝島社
  • 刊行年:2011年(第9回「このミス」大賞受賞作)
  • ジャンル:SFミステリー、心理サスペンス、閉鎖空間もの
  • キーワード:記憶操作、精神病棟、虚実の混濁、論理戦

🧠 あらすじ(ネタバレなし)

主人公・乾は、ある精神病棟に入院している。
なぜここにいるのか? なぜ「治療」が必要なのか?
乾には記憶がない。

彼は、医師や看護師たちと日々「カウンセリング」を行いながら、自分自身と向き合おうとする。
だが、その過程で浮かび上がってくるのは、世界の矛盾と違和感、そして誰かによって操作された記憶――。

やがて乾は確信する。
**「これは作られた世界だ。自分は騙されている」**と。

果たして彼の言葉は、妄想か? それとも真実か?
読者もまた、「現実の正体」を突きつけられることになる。


🎯 この小説の面白さポイント

1. 一人称視点の「不確かさ」がスリルを生む

全編が主人公・乾の視点で描かれているため、読者もまた彼の“疑心暗鬼”と“推理”に巻き込まれていきます。信じていい情報がどれなのか、最後まで見えません。

2. 密室劇のような緊張感

登場人物は限られており、舞台も基本は精神病棟内。それなのに物語のスケールがどんどん大きくなっていく“圧力”がすごい。

3. 「考え抜かれた仕掛け」と「感情的な読後感」の両立

トリックや構造の巧妙さだけでなく、人間としての“弱さ”や“救い”にもフォーカスされているため、読後に静かに感情が揺さぶられます。


📣 読者レビュー

読んでる間ずっと、「これ自分が騙されてるのか?」と不安になっていた。
― 書評ブログ

ミステリーとSFと哲学をうまく融合させた、稀有な作品。
― 読書メーター

最後の数ページで、全身鳥肌。これはただのサスペンスではない。
― Amazonレビュー


💬 まとめ:世界は「現実」か、それとも「記憶」か?

『完全なる首長竜の日』は、閉鎖空間×記憶操作×心理戦という三重構造で読者を追い詰める、異色の日本SFサスペンス。

ページをめくる手が止まらなくなる“疑念の連鎖”と、すべてがひっくり返る“ラストの衝撃”を、ぜひ体験してみてください。

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