今回は、恋がうまくいかないもどかしさや、気持ちのすれ違い、想いが届かない切なさを描いた小説をご紹介。報われない恋にも、それぞれの美しさがあります。
56. 『恋愛中毒』/山本文緒
あらすじ: 孤独な女性が出会ったのは、既婚者の男。彼に翻弄されながらも、離れられない心と体。どこか病的でリアルな恋愛の行方。
おすすめポイント: 「愛してはいけない人」を愛してしまう苦しさと中毒性を描いた、圧倒的リアリティ。
57. 『噓つきアーニャの真っ赤な真実』/米原万里
あらすじ: 少女時代を共に過ごした3人の少女たちが、大人になって再会。それぞれの人生と想い出、そして未解決の想いが交錯する。
おすすめポイント: 友情と恋が重なり合う“ほろ苦さ”。ノスタルジーと切なさが同居した一冊。
58. 『冷静と情熱のあいだ』/江國香織・辻仁成(男女両視点)
あらすじ: 10年前に別れた恋人との再会。過去を引きずる男と、今を生きる女。互いに想いを残しながらもすれ違うふたりの心。
おすすめポイント: 男女両視点から語られる恋の記憶。イタリアの風景と共に描かれる情熱と静寂の交差。
59. 『リリイ・シュシュのすべて』/岩井俊二
あらすじ: ネットと現実の狭間で揺れる中学生たちの繊細な心。音楽と恋と孤独が交錯する、青春のひりついた記録。
おすすめポイント: 10代特有の不安定さと“誰かを好きになる”気持ちの純粋さ・苦しさが胸に刺さる。
60. 『卒業』/東野圭吾
あらすじ: 大学時代の仲間のひとりが不審な死を遂げる。その真相を追う中で、隠されていた恋愛感情が浮かび上がっていく。
おすすめポイント: 恋愛ミステリーの名作。事件と共に明かされる切ない真実が、胸を締めつける。
次回は【第13回:切ない恋愛小説編②】をお届けします。報われない恋、別れ、葛藤…それでも愛おしい、そんな物語をご紹介します。
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